【オピニオン】金銭的報酬によるモチベーションへの効果

先日、ある国内MBAスクールの人事関連の授業を見学させていただく機会がありました。そこでは仕事をする上でのモチベーションについて、「一般的に金銭的報酬による効果は一時的である一方で、社内から評価されることや社外の顧客から感謝されること等の社会的評価が与えるポジティブな影響は大きい」といったお話がありました。私自身もサラリーマン時代は、例えば上司から「よく頑張ったな!」といった類の言葉が何よりの充実感に繋がっていたので、腑に落ちる内容でした。

もちろん金銭的報酬でモチベーションを維持することが出来る方もいるでしょうし、インセンティブ制度のある営業関連の仕事であれば、金銭的報酬がモチベーションを喚起するという事実もあるでしょう。でもそのようなケースであっても、社会的な評価を一切得られないのであれば、仕事を継続していくことは簡単ではないはずです。

このポイントは転職を考える上でもあてはまるでしょう。どんなに金銭パッケージが魅力的なオファーであっても、皆様の能力や経験、ポテンシャルや強み等を存分に活かし具体的な仕事の成果を上げられるような環境が、何らかの理由で適切に整えられていないようであれば、(評価も得られず仕事へのモチベーションを維持することは難しいであろうから、)その道に進むことは一旦立ち止まった方が良いと思います。逆に、例えば金銭的報酬が十分に満足の行くものでなかったとしても、ご自身の能力を十二分に発揮し会社に大きく貢献していることや高く評価されていることを感じられ、且つご自身のキャリアパスを大事に考えてもらえているのが現在の職場であるなら、判断を急ぐ必要はないかもしれません。

金銭的報酬のみならず、仕事内容、ポジション、組織構成、職場環境、企業カルチャー等全ての面でそれぞれのご意向が十分に満たされるような職場は多くはありません。各側面について優先順位をつけて、最後はご自身で判断する、という事が大事になるのだと思います。皆様が転職をご検討される際は、このような側面からもご一緒に考えていければ幸いです。

証券会社や運用会社をはじめとした金融業界や経営コンサル業界での転職をお考えであれば、リタウィルコンサルティングまでご連絡ください。皆様それぞれのご要望に真摯に向き合わさせていただきます。(2015年12月4日)