【金融業界動向】ウォール街の仕事の人気度

ある米国の調査機関によると、直近のMBA卒業生における就職先の第1希望で大手投資銀行を選ぶ比率が近年との比較でやや低迷しているらしい。背景の一つにライフスタイルの多様化が挙げられている。実際に日本でも優秀な新卒やMBA取得者の囲い込みが以前と比べて難しくなったという声をクライアントから聞く事もある。また若い方々との関わりの中でも、ワーク・ライフ・バランスを大事に考えて仕事を選ぶ人が増えているように肌で感じている。

私が20代の頃はワーク・ライフ・バランスといったコンセプトは存在しなかったし、頭の中にもそのような考えは一切無かった。仕事を通じて経験や知識を身につけ一日も早くプロフェッショナルになることが仕事のゴールであり、会社での拘束時間を気にするような人は周囲には殆どいなかったように記憶している。

時間が経過すれば人々の考えも変わり、仕事の仕方も変わっていく。どちらが良いか悪いかではなく生き方が多様化しているということだろう。現在でも若い人で始発~終電までの労働では生ぬるいと考える方もいるし、残業は原則出来ないと考える方もいる。一方で若い人達の考え方の変化を理解し、会社も変わってきている。グローバルな視点を持ちながらチャレンジングな仕事に挑戦し自己成長を実現できる金融業界の仕事の人気度が揺らぐことは考えにくいが、新しい多様な価値観を持つ優秀な若者を惹きつけるために、会社側でも今までの常識にとらわれない柔軟で魅力的な働き方を具体的に提供することが求められている時代なのかもしれない。(2017年8月17日)

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